エアーコンプレッサーの注意点・トラブル
業務用・家庭用コンプレッサーの違いについて
家庭用と何が違う?業務用コンプレッサーの疑問を解決!
自動車整備や塗装、食品工場など、小規模な工場や事業所では、業務用コンプレッサーではなく、
家庭用・DIY用のコンプレッサーを使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
業務用エアーコンプレッサーの専門店「サンエイエアー.jp」では、上記のようなお問合せをよく頂きます。
そこで今回は、「業務用コンプレッサー」と「家庭用コンプレッサー」の基本的な違いをまとめました。
今使っている家庭用から業務用への買い替えをしようか悩まれている方や、初めてコンプレッサーの購入を考えている方のお役に立てればと思います。
目次
家庭用コンプレッサーのよくあるお悩み
- エアーの量とパワーが足りない為、作業がはかどらない
- 同時に作業することができない
- 数年、又は1年も使うと、すぐに壊れてしまう
このようなお悩みでお困りの方は、業務用コンプレッサーへの買替をご検討ください。
家庭用と業務用コンプレッサーの価格について
家庭用と業務用で大きく違う点は、価格です。同じ大きさの容量でも価格が大きく違います。
価格の差は耐久性の差。エアーを使う時間が多い場合は、家庭用だとすぐに壊れてしまうので、
業務用が必要となります。
家庭用と業務用コンプレッサーの連続運転時間について
耐久性の差は、「連続使用時間」の差です。 連続使用とは、モーターが運転を中断することなく連続して運転することをいいます。
家庭用やDIY用コンプレッサーの仕様には、「定格時間:20分」や「連続使用ではお使いいただけません」と各コンプレッサーに記載があり、
既定の定格時間、運転をしたら、しばらく休むことが必要になります。
家庭用・DIYコンプレッサー
定格時間:20分
空気入れ・ゴミ・
ほこり飛ばしなど
定格時間:40分
エアーブラシ用
そのため、エアーをハードに使う工場や作業所では、家庭用コンプレッサーの定格時間を気にして仕事はできません。
いつでもエアーが使えるよう、業務用コンプレッサーが必要となります。
業務用コンプレッサー
レシプロ
レシプロ
スクロール
スクリュー
レシプロとスクロール、スクリュー。
レシプロよりもスクロール、スクリューの方が耐久性が良いです。
また、業務用コンプレッサーの中でも耐久性の差はありますので、
1日に使う時間とエアーの用途によって、業務用コンプレサーを選定すると良いでしょう。
家庭用と業務用コンプレッサーの電源と容量について
家庭用コンプレッサーの場合
家庭用コンプレッサーの電源は、単相100Vの為、最大でも、0.75kw(1馬力)の容量になります。
中には単相200Vと特殊な電源を使えるご家庭もあるかと思いますが、その場合は、1.5kwまでが多いようです。
0.75kwや1.5kwでは、作られる圧縮空気の量では限界があるため、例えばエアーガンでの吹き飛ばしなら、連続で使えず圧が下がることもあります。
電源コード(ケーブル)・プラグは標準で付いています。
業務用コンプレッサーの場合
業務用コンプレッサーの場合は、単相100Vと三相200Vです。
単相100Vの場合は、家庭用と同じで、最大容量が0.75kw(1馬力)になります。
また、三相200Vは当店取り扱いでは0.2kwが最小容量。
最大容量は250kwまで取り扱いございます。
電源コード(ケーブル)・プラグは標準で付いているものは少なく、ほとんどがお客様にて準備が必要です。
コンプレッサーでよくある電気のトラブル「電圧降下」について
家庭用・業務用、共通して多いトラブルは、
「電圧降下」です。
特に、単相100Vの電源・0.75KWコンプレッサーの
お客様が多いです。
症状としては「ブレーカーが良く落ちる」「コンプレッサーがよく止まり、動かない」、
ひどくなると「電磁開閉器から煙が出た(焼損)」など、重大なトラブルが起こることも。
コンプレッサーは起動時に3倍もの電流が流れる為、電気容量や配線の太さ・長さも、決められた基準で準備しないと上記のトラブルが起こりやすくなります。
また、タコ足配線や延長コードもトラブルを招く原因になりますので、必ず専用回路を設けるようにしましょう。
当店では「電圧降下診断セット」をプレゼントしています。
テスターを付けています。
メンテナンス性をチェック
家庭用と業務用コンプレッサーでは、構造が違うため、メンテナンス性も違ってきます。
家庭用は保証期間以外は修理不可の場合もあり、故障しても修理を受け付けていない場合もあります。部品も在庫してないことがあり、修理の方が高くつく事があります。
そのため、買い替えする方が多いです。
業務用は稼働時間や経過年数によってメンテナンス・整備をします。内容も違ってきます。
いきなり故障してエアーが使えなくなると、仕事が止まりますので、トラブルを未然に防ぐためにも整備をしていきます。
部品にメーカーで在庫している為、必要な時に購入できます。
当店のアフターサービスをチェック
業務用コンプレッサーを取り扱っている当店では、ご購入後の修理やトラブルも徹底サポートしています。
ご購入頂いたお客様には、緊急連絡先を記載しました、
当店オリジナルステッカーをお送りしています。
「故障かな?」「どうしたらよい?」そんな時は、お気軽にご相談いただければご対応可能です。
当店では、ご購入された方の製造番号や修理トラブル履歴も管理しています。
スピーディな対応ができるよう、現場でのご対応であったり、
当店に送って頂き修理したりも可能です。
代替機が必要な方は、貸出も可能です。
メーカーの研修を受けたサービス員もいますのでご安心くださいませ。
トラブル時はいつでもご連絡下さい
困った時の緊急連絡先を記載したオリジナルステッカーをお送りしています。
トラブル内容に合わせてご対応します
- 1
当店にてご対応
-
お電話・メール・WEBにて即日ご対応
- 2
現場にてご対応
-
※出張費がかかります
- 3
当店で修理する
-
※修理品をお送り下さい。
- 4
代替機貸出
-
緊急対応に!100Vもあります。
当店ではお客様の製造番号・修理トラブル履歴も管理しています。
家庭用と業務用のメリット・デメリット
家庭用コンプレッサーのメリット・デメリット
- 価格が安い
- 趣味程度で使う場合、使い勝手が良い
(電源コード・プラグ付、減圧弁、カプラもついている) - 連続で使えない。使っていると壊れやすい
- メンテナンスするより買い替えが多い
業務用コンプレッサーのメリット・デメリット
- 連続運転で使える
- 工場や事業所などハードにエアーを使う場所に向いている
- 耐久性が良いから壊れにくい
- 小さい容量から大きい容量までラインナップが豊富
- 業務用の中でも静音や耐久性が良いものなど種類があるから、
自分の要望に合わせて選べる。 - 電源コード(ケーブル)・プラグや減圧弁(圧力調整器)・
カプラなどは自分で準備する場合が多い - 整備をしながら長く使っていく
よくあるトラブル集【コンプレッサー・ドライヤ】
よくあるトラブル集【コンプレッサー・ドライヤ】
ご購入いただいたお客様からのよくあるトラブルを抜粋しました。
アフターフォローは、当店が窓口となって、対応いたします。
当店とお客様との間でも解決できるトラブルも多いのが実態です。
出張費はかかりません。
(各地域のサービスマンが伺いますと、出張費などで数万円かかります)
当店でできることはさせて頂きます。
電気のトラブル
サーマルトリップ(電圧降下など)
★特に100Vでのトラブルが多いです。関連ページ
100Vコンプレッサー
関連ページ
お手入れ不足
ドレンが排出されていない
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タンクのドレン抜きをした時、茶色い水がでますが、大丈夫でしょうか?
弁セットの洗浄
フィルター内のゴミ
吸込みフィルターの汚れ
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コンデンサの汚れ
ミス・勘違い
スタッフによる操作ミス
関連ページ
ドレン排出し忘れ
関連ページ
エアータンクのドレン排出、キチンとできていますか? エアータンクのドレン排出、キチンとできていますか?
エアーを使った機械の故障
関連ページ
継手の増し締め不十分
エアードライヤ内の音
接触の不具合
充填時間の把握
ドライヤ除去運転
ドライヤ先行運転
関連ページ
部品交換・修理
エンジンコンプレッサーの修理
圧力スイッチの交換
ドレンセパレータの交換
弁セットの交換
ピストンに傷
関連ページ
使い方の間違い
屋外設置による熱
木枠のまま設置
チョークがきちんと戻っていない(エンジンコンプレッサ)
ドレン排出不足
オイル給油口の蓋をせずに運転
コンプレッサーの圧縮方法の違いを教えて下さい
エアーコンプレッサーの圧縮方法の比較
当ショップで扱っているレシプロ、スクリュー、スクロールコンプレッサ。
これらは圧縮方式の違いによるものです。
それぞれの圧縮方法の特徴・メカニズムを一覧にしました。ぜひ比較して下さい。
レシプロ
形状・メカニズム
シリンダ内部を往復するピストンの作用で、圧縮室の空間容積を変化させることにより圧縮。
特徴
本体吐出にバルブが必要で、構造自体トルク変動が大きく低速回転の為、音・振動が大きい。但し安価。
スクロール
形状・メカニズム
旋回スクロールが、図1→2→3→4と旋回するにしたがって、固定スクロールと旋回スクロールの間に空気が吸い込まれ、点対称の位置にある三日月状の圧縮室の容積が徐々に小さくなり、空気は圧縮されて、中心部の吐き出しポートから押し出されます。
特徴
バルブが不要でもっともトルク変動が少なく、音・振動が飛びぬけて小さい。また、効率が良い。
スクリュー
形状・メカニズム
オス・メス一対二本のスクリューローターのネジ溝にできる容積変化で圧縮。
特徴
工場エアとして最も普及している給油式コンプレッサの機構で、音・振動も小さく、中形クラスで効率が良い。
空気量を表示する単位、Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)の違い、分かりますか?
今回は、空気量の単位の話をしたいと思います。
圧縮空気の基本の話になりますので、ぜひ理解して頂きたいです。
圧縮空気機器のカタログの仕様に、空気量「Nm3」「m3」のどちらかで表示されている場合があります。
この2つの単位の違い、分かりますでしょうか?
まず、Nm3とm3とでは、基準となる空気の状態が違います。
空気の状態と量の関係性
空気量は、圧力、温度、湿度によって異なります。ボイル・シャルルの法則に基づき、圧力が倍になれば、空気の量は半分になります。また、湿度が低いヨーロッパと高温多湿の東南アジアや、海岸と山頂とでも空気量は異なります。
従って、圧力や温度、湿度に左右されない「実量」を表示する単位が求められます。それが「Nm3」です。
Nm3とは何か?
Nは「ノルマル」(=ノーマル、標準)、m3は「リューベ」(立方メートル)の略で、標準(基準)状態の空気量になります。
基準空気とは?
- 大気圧(101325Pa)、0℃、乾燥空気を指します。
- 表示には「N」または「NTP」を使用します。
- 容量表示例は、「10Nm3/min」又は「10NTPm3/min」(基準空気表示は、空圧機器、化学機械、ドライヤ等がよく使用します)
海外メーカーでは、この単位を使用することが一般的です。
m3とは何か?
m3:リューベ(立方メートル)
汎用圧縮機の容量表示条件で、「大気圧(1.0332kgf/cm²)」 、「30℃」、「75%」をいいます。
国内メーカーの圧縮機に関しては、実吐出量でカタログ・仕様表示してありますが、これは、圧縮機の吐出量を吸込状態(圧力 、湿度、温度)に換算した空気量になります。
表示例 | 圧力 | 温度 | 湿度 |
---|---|---|---|
基準空気の容量表示条件 | 大気圧 | 0℃ | 0% |
汎用圧縮機の容量表示条件 | 大気圧 | 30℃ | 75% |
空気量の換算式
概算の換算式
- 基準空気量(Nm3) = 汎用圧縮機の容量×0.87
- 汎用圧縮機表示容量 = 基準空気量÷0.87
換算方法(正規)
温度℃ | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 |
---|---|---|---|---|---|---|
飽和圧力 kgf/㎠ |
0.01251 | 0.01737 | 0.02383 | 0.03229 | 0.04326 | 0.05733 |
計算例
大気圧(1.0332kgf/cm²)、温度30℃、湿度75%、10m3の空気をNm3に換算する場合の計算。
ブレーカーの選定・選び方について
「何A(アンペア)のブレーカー容量をつければいいの?」
コンプレッサーの増設、更新の際に、電源の選定についての質問をよく聞かれます。
電源については、コベルコ・コンプレッサー㈱、アネスト岩田㈱、両方、取扱説明書に記載してあります。
(カタログには記載されていませんので、ご購入を検討する場合は、事前にお問合せ下さい)
また、三相200Vのコンプレッサーを運転させる場合は、必ず漏電ブレーカーを設置して下さい。
間違えやすい例としては、昔ながらのヒューズスイッチ(ナイフスイッチ)です。
単相200Vの電源で、三相200Vを動かすと、機械は動きます。
ただ、無理やり動かす形になりますので、モーターが焼けたりしてしまいますので注意が必要です。
*取扱説明書にも記載されています。抜粋しましたので、ご参考ください。
▲コベルコ・コンプレッサ㈱取扱説明書から抜粋
では、ひとつ例を挙げてみましょう。
例えば、2.2kwのレシプロコンプレッサーの場合はどうでしょう?
こちらの場合は、下記の仕様より、漏電ブレーカーの容量は、30Aになります。
手元開閉器容量がブレーカー容量に相当しますので、「手元開閉器容量」の箇所をご参考ください。
(ちなみに、開閉器とは、ブレーカーの事を指します。開閉器=ブレーカー)
この仕様は、0.75kw~2.2kwのレシプロコンプレッサーですが、同じkwのスクリューコンプレッサーとでは、容量が違ってきます。同じ馬力でも、圧縮方法によって電源容量が違ってきますので、
必ず、問い合わせるなり、確認をして下さい。
▲アネスト岩田㈱取扱説明書から抜粋
アネスト岩田のページでも「電気配線、電源・漏電ブレーカ、設置スペース一覧」記載してあります。
ご参考ください。
http://www.anest-iwata.co.jp/products/compressor/reference/space.html
2012-02-25
- 2023.12.12
- 11:20
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