エアーコンプレッサーの注意点・トラブル
空気量を表示する単位、Nm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)の違い、分かりますか?
今回は、空気量の単位の話をしたいと思います。
圧縮空気の基本の話になりますので、ぜひ理解して頂きたいです。
圧縮空気機器のカタログの仕様に、空気量「Nm3」「m3」のどちらかで表示されている場合があります。
この2つの単位の違い、分かりますでしょうか?
まず、Nm3とm3とでは、基準となる空気の状態が違います。
空気の状態と量の関係性
空気量は、圧力、温度、湿度によって異なります。ボイル・シャルルの法則に基づき、圧力が倍になれば、空気の量は半分になります。また、湿度が低いヨーロッパと高温多湿の東南アジアや、海岸と山頂とでも空気量は異なります。
従って、圧力や温度、湿度に左右されない「実量」を表示する単位が求められます。それが「Nm3」です。
Nm3とは何か?
Nは「ノルマル」(=ノーマル、標準)、m3は「リューベ」(立方メートル)の略で、標準(基準)状態の空気量になります。
基準空気とは?
- 大気圧(101325Pa)、0℃、乾燥空気を指します。
- 表示には「N」または「NTP」を使用します。
- 容量表示例は、「10Nm3/min」又は「10NTPm3/min」(基準空気表示は、空圧機器、化学機械、ドライヤ等がよく使用します)
海外メーカーでは、この単位を使用することが一般的です。
m3とは何か?
m3:リューベ(立方メートル)
汎用圧縮機の容量表示条件で、「大気圧(1.0332kgf/cm²)」 、「30℃」、「75%」をいいます。
国内メーカーの圧縮機に関しては、実吐出量でカタログ・仕様表示してありますが、これは、圧縮機の吐出量を吸込状態(圧力 、湿度、温度)に換算した空気量になります。
表示例 | 圧力 | 温度 | 湿度 |
---|---|---|---|
基準空気の容量表示条件 | 大気圧 | 0℃ | 0% |
汎用圧縮機の容量表示条件 | 大気圧 | 30℃ | 75% |
空気量の換算式
概算の換算式
- 基準空気量(Nm3) = 汎用圧縮機の容量×0.87
- 汎用圧縮機表示容量 = 基準空気量÷0.87
換算方法(正規)
温度℃ | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 |
---|---|---|---|---|---|---|
飽和圧力 kgf/㎠ |
0.01251 | 0.01737 | 0.02383 | 0.03229 | 0.04326 | 0.05733 |
計算例
大気圧(1.0332kgf/cm²)、温度30℃、湿度75%、10m3の空気をNm3に換算する場合の計算。