夏場のエアーコンプレッサートラブル
夏場のトラブルの代表「吐出温度高」について
コンプレッサーの吐出温度異常について
夏場はコンプレッサーのトラブルが多くなります。
その中でも今回はコンプレッサーのタイプ別に、吐出温度異常についてまとめました。
スクロールコンプレッサー
スクロールコンプレッサーは本体温度が高くなると、温度センサーが働いて自動停止します。
これは重大事故を防ぐためです。
またオイルフリータイプですので、潤滑油によるトラブルがありません。
エラーコード:E21,E22
エラーコード | 検出条件 | 原因 | 対策 |
E21:本体温度急上昇 E22:本体温度が高い |
周囲温度 | 周囲温度が高い | 設置環境の改善 |
換気が悪い | 換気方法の改善 | ||
冷却不良 | 吸気口の目詰まり | 清掃 | |
排気口がふさがれている | 排気口の確認 | ||
吸込フィルタの目詰まり | 点検 | ||
アフタークーラーフィンの目詰まり | 販売店や当店でご相談下さい | ||
冷却ファン(換気扇)不良 | 販売店や当店でご相談下さい | ||
吸込ホース破損 | 販売店や当店でご相談下さい | ||
本体冷却通路の目詰まり | 販売店や当店でご相談下さい |
給油式スクリューコンプレッサー
スクロールコンプレッサーとほぼ同じですが、その他部品の消耗も原因と考えられます。
特にオイルフィルタ・クーラーの異常・目詰まりの場合は、電流値が上昇します。
また潤滑油のチェックも必要です。
運転中に”警報表示”が出た場合は、運転は継続されます。
"異常表示"が出た場合は、非常停止します。
故障コードランプが点滅した時は、速やかに処置を行い、修復して下さい。
エラーコード:E-1
エラーコード | 原因 | 対策 |
E-1 | 圧縮機本体出口の空気温度が 110℃に達した時に表示します。 |
周囲温度を下げる(40℃以下) 潤滑油の確認 ・オイルフィルタの点検・交換 ・吐出圧力を正規の圧力に調整 ・オイルクーラーの清掃 ・ダストフィルタの清掃 ・自動温度調整弁の点検 |
レシプロコンプレッサー
モニター表示なし
レシプロコンプレッサーモニタ―表示がありません。
以下の症状があるようでしたら点検等をお願いします。
サーマルプロテクターが頻繁に作動する
疑わしい原因:圧縮機の周囲温度が高い
対処方法:設置環境や換気を改善する。
潤滑油もチェック
また給油式の場合、潤滑油のチェックも必要です。
潤滑油が不足すると、かじり付きや破損が起こり、重大事故につながります。
夏場のコンプレッサー、トラブルを未然に防ぐ方法はありますか?
コンプレッサートラブル対策~夏場対策・日常点検~
設置環境・換気の見直し
6月過ぎると、ドレンによるトラブルや、周囲温度によるトラブルなど、高温多湿によるトラブルが増えてきます。
そこで、今回は夏場に向けてのトラブル対策についてまとめます。
特に空冷式のコンプレッサーの場合、注意が必要です。
それは、周囲温度が40℃以上になるとコンプレッサーが止まりやすくなるからです。
空冷式のコンプレッサーは、本体に付いたファンやプーリーの羽による風で圧縮空気を冷却します。
そのため、コンプレッサーの周囲温度が高いと、うまく冷却できなくなってしまうのです。
室温が高い状態で、扇風機を運転させている状況と似ています。
つまり、冷却をスムーズにできるかどうかが夏場の運転の大きなカギとなります。
コンプレッサーの周囲温度を下げる事を考えて、設置環境、換気を今一度見直して下さい。
■「設置環境と換気」については以前にも詳しく載せてあります。
コンプレッサーのお手入れ
ラジエーターの清掃
半年又は年に一度、熱交換しているラジエターをエアーブロー等でよりきれいに掃除をして下さい。
たまに、ほとんど目詰まりしている場合もあります。
エアーフィルターの清掃
こちらも基本的に1年に1度(設置環境が悪い場合は半年に1度)、エアーブロー等で清掃して下さい。
再利用が可能です。(機種によっては不可)
スクリューコンプレッサーからオイルミストが多量に出る場合
考えられる原因は主に2つです。
1)オイルセパレータエレメントの目詰まり
対策としてはエレメントの交換になります。
2)オイル戻り逆止弁の不具合が考えられます。
対策としては清掃又は弁の交換をお願いします。
ドレンが出る場合
これからの時期、高温多湿になるとドレンが出やすくなります。
いつ出るか分からない状態です。
フィルターやトランスフォーマで対応する方もいらっしゃいますが、圧縮空気中の水蒸気までは取り除けません。
温度湿度に左右されないドレン対策にはやはり、エアードライヤーが一番です。
圧縮空気の除湿に!エアー機器のトラブル防止に!ぜひご検討ください。
まずは、選定方法などのページをご参考ください。
エアーが足りない、圧力が低下する場合
工場配管に漏れがないか、電磁弁、ドレントラップから吹きっぱなしになっていないか?をまずは確認して下さい。
無ければ、エアー・能力不足が原因となりますので、コンプレッサーの増設をご検討下さい。
いくつかのトラブル・対策を取り上げました。
お客様でも、気になる点がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。