設置場所の注意点

コンプレッサーの設置場所についての注意点



レシプロコンプレッサーを例に、コンプレッサーの設置場所について説明します。
正しい設置例
悪い設置例
※アネスト岩田仕様書より抜粋しております。

【注意点①】

室内で湿度が少ない場所に設置して下さい。

⇒雨水がかかったり、湿気の多い場所(湿度85%以上)では、漏電や火災事故を起こす危険があります。水気禁止です。

【注意点②】

近くに爆発性ガス、引火性ガス(アセチレン・プロパンガスなど)可燃物のない場所に設置して下さい。

⇒不適当な場所では、爆発・発火事故の原因になります。安全な場所に設置して下さい。
社長イラスト

補足説明


周囲に塗装のシンナー等、引火性があるところは絶対に避けて下さい。一般にモーターが防爆仕様になっていないからです。上記にもあるように、アセチレンやプロパンガス等の可燃性ガスがある場合も同様です。



【注意点③】

周囲温度が2~40℃で腐蝕性ガスのない場所でご使用ください。

⇒0℃以下の使用は、起動不良やドレンの凍結により圧縮機各部に作動不良が発生する原因となります。0℃以下で使用される時は、ご相談ください。

⇒40℃以上の使用には、部品の寿命を低下させ破損事故を起こす事があります。

⇒腐蝕性ガスの雰囲気での使用は、圧縮機の寿命低下の原因となりますので、換気に十分ご注意ください。

社長イラスト

補足説明


コンプレッサーは空気を圧縮する時に、圧縮熱が出ます。その圧縮熱は、空気又は水で冷やしますが、空気で冷やす場合は、換気に気を付けなくてはなりません。換気が十分でないと、温度の高い空気を吸い込むサイクル(ショートサーキット)になり、故障の原因となります。夏場、そして設置場所の換気が良くない場所(階段下の狭い場所など)は特に注意が必要です。


【注意点④】

水平で基礎がしっかりしている場所を選び、車輪は4個とも床面に付くように設置して下さい。

⇒設置が不安定で車輪が浮いていると、異常振動や異音が発生する原因となります。車輪の下にゴムや緩衝布を敷くと安定し、防音効果にもなります。
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補足説明


傾いて設置したり、車輪が浮いていると、異音が発生しやすくなったり、車輪の軸が減って、車輪の軸が回らなくなります。



【注意点⑤】

ベルトガード側は壁面と30cm以上離して設置して下さい。

⇒壁面に近い設置は、圧縮機の冷却効果を低下させ、寿命低下の原因となります。

【注意点⑥】

ごみやほこりの少ない場所を選んでください。

⇒鉄粉・石粉・研磨粉・木屑などを吸い込むと、吸込フィルタの目詰まりによる性能低下や圧縮機内部の異常摩擦を生じさせるなど寿命低下の原因となります。

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補足説明


コンプレッサーは設備の中でも、生産現場の裏方の為、あまり条件の良くないところに設置されやすいです。ほこりの多いところ(鋳物の砂の多いところ、石や木の研磨粉が多いところ等)は、吸込フィルターがすぐ詰まります長く放置すると、フィルターが破損して、塵埃の混じった空気を直接吸い込むこととなり、故障が起きやすくなります。


【注意点⑦】

保守・点検が容易に出来る場所に設置して下さい。

⇒圧縮機の周囲に人が入って、十分に点検できるスペースを確保して下さい。
社長イラスト

補足説明


ベルト駆動のコンプレッサーの場合、壁にあまりすき間をあけずに設置すると、コンプレッサーやモーターが換気不足になる場合があります。30cm以上、欲を言えばもうすこし間隔をあけるとよいです。



【注意点⑧】

2~3台を並列に並べて運転する場合は、間隔を1m以上あけて設置して下さい。
間隔あけて設置
⇒圧縮機どうしが温度影響を受け、圧縮機の寿命低下の原因となります。

【注意⑨】

以下の場合はご相談下さい。

⇒圧力などを変更したい場合
⇒密閉された部屋で使用する場合
⇒箱に入れて使用したい場合
⇒その他、特殊な用途、場所での使用する場所

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